マインドスポーツとは、主に知的能力や戦略的思考を競うスポーツの事を指します。例えばポーカー、チェス、囲碁などが代表的です。身体的な強さや俊敏さではなく、記憶力、論理的思考、判断力、心理戦などの知的スキルが勝敗を左右します。
この記事では、頭脳戦を競い合う新たなスポーツの新たな形として注目のマインドスポーツについて、詳しく解説していきます。
マインドスポーツを通じて身につく認知スキル
マインドスポーツは、頭を使うスポーツだという事はなんとなく分かる人は多いでしょう。でも実際にどんな認知スキルが試されるのか?いまいちピンと来ていない方もいるかと思います。特に最近じわじわと人気再上昇上昇、新たに始める方も多いポーカーの初心者などは、どうやって上達できるのかと頭を悩ませているのでは?ここでは4つのポイントに絞ってまとめてみました。
戦略的思考
相手の動きや思考を予測し、自分がおかれた状況下において最善の手を選ぶ力が養われます。
意思決定能力
不確かな情報しか分からない状況において、リスクとリターンを分析し、的確な判断を下す力が磨かれます。
記憶力
以前の曲面やパターンを記憶し、経験を重ねるごとに必要な際に思い出すことができるようになります。
感情のコントロール
不利な戦況や予想外の展開に直面しても冷静さを保ち、表情を表に出さず集中力を維持する力が鍛えられます。
マインドスポーツの モデルケース:ポーカーの場合
ここでは、マインドスポーツの代表例として挙げられる、ポーカーを例にとって解説していきます。ポーカーは、プレイを通じて高度な認知スキルが養われる事ができます。
限られた情報の中で相手の手を推測し、自分にとって最も有益な行動を選択する事がポイントです。ポーカーのプロで、心理学者でもあるマリア・コンニコヴァは「ポーカーは、相手の思考や行動パターンを観察し、数手先を読む戦略的訓練の場」とも語っています。戦略の構築と修正を繰り返す中で、複雑な意思決定能力が養われます。
運と確率、記憶力が試される
ポーカーでは、常に“運”と“確率”のバランスを考慮する必要があります。たとえば、自分の手札と場に出たカードから勝率を計算し、チップを賭けるべきかどうかを判断します。経済学者ジョン・フォン・ノイマンが提唱するゲーム理論に則ると、ポーカーは「限定合理性の中で最善を尽くす」意思決定訓練の実践場とも言えます。
またプロや熟練プレイヤーは過去の対戦履歴や相手の癖を記憶しています。これは「作業記憶」や「エピソード記憶」の活用を含み、脳の前頭前野を活性化させるとされます。神経心理学的研究でも、ポーカープレイヤーは記憶処理能力が高い傾向にあることが報告されています。
マインドスポーツのスキルを実生活で応用できる?
おそらく野球やサッカーといったスポーツと比較すると、マインドスポーツのスキルは実社会でも非常に実用的なスポーツと言えるでしょう。ゲームの枠を超えて、ビジネスや恋愛などの場面で幅広く応用できます。
マインドスポーツで鍛えた戦略的思考は、ビジネスの戦略立案や交渉術に直結します。たとえば、複数の選択肢から最適解を選ぶマーケティング戦略や、相手の立場を読みながら進める商談などに役立ちます。
また“確率的思考”や“リスク管理”は、株式投資や経営判断、また医療や災害対応など、情報が不完全な中で迅速に決断を求められる場面で有効です。プロ投資家の中にもポーカー経験者は多く、リスクとの向き合い方に共通点が見られます。
医療現場やサービス業においても
マインドスポーツでの負けや予想外の展開でも冷静さを保つ訓練は、医師や看護師など緊張下で働く職業、またクレーム対応やチーム管理など感情労働を伴う業務において大きな武器になります。感情コントロールは、接客などにおいても現代の職場で重視される「レジリエンス」の核とも言えるでしょう。
まとめ
マインドスポーツで身につけたスキルは、実社会で「考える力」や「耐える力」として幅広く活用可能です。ただの趣味にとどまらず、知的な実践訓練とも言えるのがその魅力ですね。
特にポーカーは単なるギャンブルではなく、現代のマインドスポーツとして、思考力・記憶力・心理コントロールといった幅広い認知スキルの習得に貢献しているのです。これからマインドスポーツを始めてみよう、興味がある!という方は、ぜひ参考にしてみてください。