Hi! 一月は英語のクラスで読む本も「桃太郎」や「だるまちゃんシリーズ」など、日本のお話しを選んでいます。
日本文化を英語で読む、話すことは学校でも推奨されていますからね。
最近は観光地のパンフレットに英文が並んでいることも多くなりました。
何かの参考になるかもしれない、と取っておいているのですが、思いがけない知識を得ることもあります。
というわけで今日は、コロナ拡大前に訪れた京都の「銀閣寺」を、パンフレットの英文を引用しながらご紹介します。
大人目線で見た銀閣寺は、気持ちいい空気が通る、美しい山荘でした。
造営した足利義政が詠んだ歌の英訳もご紹介します。
銀閣寺の庭園の苔が美しい理由
「コケが綺麗!」 石造りの橋や木の段を抜けて歩き進むにつれ、目を奪われたのは、山肌に広がる「苔」。
木々の根を覆うようにうねり広がる様が、まるで映画のセットのようでした。
ただ見とれて歩いてしまいましたが、ホテルに帰ってパンフレットを読んだら、こんな記述がありました。
In landscaping his villa, Yoshimasa took inspiration from the garden designed by the priest Muso Soseki at Saihoji temple, familiarly known as Kokedera or ” the Moss Temple.”
義政公は東山殿造営にあたり、禅僧夢窓国師の作庭による西芳寺 ( 苔寺 ) にならって構成した。
— 「銀閣寺 東山慈照寺 GINKAKUJI TEMPLE 」より
「苔寺」 そうだったんだ!そうでしょうとも!
いや、苔寺のことは知りませんが、この苔は「それもいいね」くらいの気持ちでそこにあるわけではない、と感じました。
銀閣寺の苔が美しいのは「苔寺」を模して造られたからなのですね。
実際 義政は、幾度となく西芳寺を訪れ、その庭園を徹底的に研究したそうです。
何人もの庭師さんが、山肌に張り付くようにして手入れをしていました。彼らの仕事も「苔」が美しく保たれている理由の一つですね。
木漏れ日に光る黄緑色の苔の中に、ひとつ赤い花が。
銀閣寺は、正しくは「東山慈照寺」という臨済禅宗の寺院ですが、禅寺となったのは義政の没後。
禅寺でありながら、華道、茶道、香道などの源流となっているのは、
それ以前 ( 禅寺となる前 ) は東山殿、すなわち義政の邸宅としての色彩が濃い山荘であった。 そのため寺としてより、義政の生涯にふれることができ—
同前出「銀閣寺」パンフレットより
とあるとおり、政治の世界から離れ、多くの芸術に親しんだ義政が生涯を託して作り上げた山荘だからでしょう。
義政の歌の英訳を引用
権力の座を捨て、東山殿で隠栖生活を過ごした義政が詠んだ歌を引用します。
何事も夢まぼろしと思ひ知る
身にはうれひも悦びもなし
Realiazing that everything is
but a ghostly dream,
there is no anxiety nor joy in me.
「銀閣寺」パンフレットより
総門からの参道で見つけた赤い花。椿かな。日が当たっていっそう目を引きました。
銀閣寺で楽しめること
広大な庭園を散策する他にも、銀閣寺で楽しめることが二つあります。
① 国宝の中に入る
② 美味しい抹茶を飲む
< ① 国宝の中に入る >
国宝である東求堂は、通常非公開ですが、春と秋には特別公開されます。有料 ( 1000円ほど ) パンフレットはここでいただきました。
( * コロナウィルス感染拡大を受け、公開日程は適時変更があるようです。ホームページで確認できます )
義政の書院である「同仁斎」にも入ることができました。これが日本の「四畳半」の始まりだそうです。
あまりに馴染み深すぎて、どこがすごいのかピンとこなかったけれど、「四畳半」というサイズや、障子、壁につけられた互い違いの棚、床の間、飾られた書道具の配置など、今に見られる和室の元が、ここなのだそうです。
「信長もここに来たと言われています」とガイドさん。へぇ!
< ② 美味しい抹茶を飲む >
出入口付近に茶屋 ( お土産も売ってます ) があって、500円で抹茶とお菓子が楽しめます。
これが美味しかった。
竹に囲まれた外の席には、赤い紙製の傘と縁台があって、雰囲気満点です。
40年ほど前に修学旅行で訪れたときは、暗く寒々しい印象があった銀閣寺ですが、今回は、まったく違う色を感じました。
回遊式庭園を文字通り回遊して、随所から写真を撮ったり、ガイド付きツアーに参加して、義政のここでの生活に思いを寄せたりと、楽しかった。
500年も前に造営された庭が大切に守られて、苔が ( 生え変わっているとしても ) 力強く輝いているのは、素敵だなと思います。
京都旅行では、銀閣寺の他にもいくつか訪れた場所がありますが、最後は、建仁寺「三門」前。
桜の枝ぶりの写真です(#^^#)
最後まで読んでくださってありがとうございます。
次は、京都なのに外国にいるようだった「ザ・リッツ・カールトン京都」の記事を書きたいと思っています!
それではまた。さようなら!
車山には、山頂に鳥居があります。ご利益がありそうですよね ↓↓