こんにちは。 How are you doing?
今日は、ある公立中学の英語のテストが、小学校英語との連携で変わってきたなと思うことについて。
中学生の英語力が上がってきたなぁ、と感じていることについてもお話しします。
緊急事態宣言を受けて教室をお休みにしたことで、子供達とはプリント添削という形で毎週やりとりをしています。
教室の形より細かく1人1人の英語力が見えてきて、ふと、思いました。
ずいぶん英語力が高くなったな、と。
このクラスは現在中学2年。週1英語なので英語レベルは学校の1年先を行っているくらいです。
それでも学校ではできる方かと思いきや、そうでもないらしい。
お母さま方の話によると「できる方ではある。でももっとできる子が何人もいる」そうです。
Oh, dear!
中2でこんなに英語を操れるのに「クラスで平均より上」くらい?
そんなばかな! いや、これはとても素敵なことかもしれません。
日本全国ということでなく、東京のとある公立中学でのことではありますが、定期テストの問題が、ここ何年かでより良い方向に様変りしてきたように思います。
ある公立中学校のテストのようす
10年くらい前は、英訳、和訳、並べ替えにリスニングなど、なじみ深いテストが多かったように記憶しています。
長文は教科書からの抜粋だったので、教科書ローラー作戦をした子は、100点も取れる問題でした。
それが少しずつ変わってきました。
まず単純な和訳を見なくなりました。
かわりに、このような問題 ( 完全にこのままではないかもしれませんが )
I know many kinds of vegetables like cabbedge and cucumber. How about you? Write the words of vegetables.
これに日本語で答えなさい、というもの。 ( 中1三学期 ) 英文の理解度を計っているのですね。
和訳より実践的です。綺麗な日本語にするという手間もないですしね。
並べ替えも単純ではなく
・不要な語を省いて
・足りない語を補って
というパターンが多く見られるようになりました。
定期テストの問題は先生によって傾向が違うので一概には言えませんが、最近は1年生から作文が出ます。
しかも、できるだけ多くの文を書くことが求められています。
また、中文、長文読解に初見の内容もよく見られ、日本の昔話やアニメなどの題材が多いです。
小学校英語との連携
まだ小学校英語が教科になっていない時期から、連携を感じる問題も出ていました。
小学校英語で触れた単語がテストに
ある年では「多少の綴りの間違えはかまいません」というスタンスをとり、小学校で触れた単語がテストに組み込まれていました。
例えば 、次のようなお題で知っている単語をできるだけたくさん書きなさい、という問題。
・海の中の生き物
・知っている外国の料理
・学校の教室にあるもの
書けば書くほど加点されるので、100点を超えることも可能。楽しいですね。
「習っていない単語を書けなんて、子供の素の英語力を計りたいのかな」と最初は面食らいましたが、小学校との連携だと思いあたりました。
「海の生き物のカードを黒板に貼って歌った」といつだったか生徒さんが言っていたのです。
その後も「綴りの間違えは甘く見ます」の前提で、自分のことや家族のことについて、自分で文を作り出す問題がよくでていました。
小学校の英語活動でよく取り上げる内容ですね。
綴りの間違えOK はデメリットも
綴りを気にせず多くの単語をインプットするというやり方には基本的には賛成ですが、心配な点もありました。
・間違えてもいい、と言われると子供は覚えようとしない
・自分の書いた文が読めない
大袈裟に書くとこんな文ができあがります。
I am tenis fan. I laik tenis veri mach. I wach tenis game. It’s fan.
話し言葉として聞いたら、理解できますけれど…。どうなんだろうな、と頭を抱えてしまいます。
fan と fun は本当に区別がついているのだろうか、とか、” game ” ってよく書けたな、ミラクルだわ、なんて。
この調子だと大変だな、と思いました。
please → pliz
ball → bole となったら、自分でも読めないですからね。
もちろん英語学習歴半年くらいの子供が、ここまで書くのは素晴らしいです。
しかし、中1の単語は頻度が高いので、間違った綴りが定着すると直すのが大変なのも事実。
学校の先生もジレンマを抱えていたと思います。子供ですからね、綴りは間違えていいとしたら、練習なんかしませんものね。
中学の前段階としての小学校英語
私も英語サポートに入った経験がありますが、小学校英語では、単語を知るだけでなく、聞いたり使っていくようなプログラムを組んでいます。
子供たちは、友達と面と向かって話したり、身体と口をたくさん動かす英語活動に、とても楽しそうに取り組んでいました。
英語慣れしている子に「簡単すぎてつまらない?」と聞くと、例外なく「ううん。すっごく楽しい」という答えが返ってきます。
また、日本や他の国の文化に英語で触れよう、という試みもさかんです。
クリスマスやお月見などに関する単語や文を使ったりします。
2~3年前にも中学1年で、不定詞が入った初見の中文が出たことがあります。
長めの文がいくつも並んでいたので「頭が真っ白になった」と子供たちは言っていましたが、内容はハロウィンやひな祭りの説明でした。
単語をたよりに内容を推測する問題で、落ち着いて読めば解ける問題ですが、
それでも小学校でやっていなければ、英語教室にでも通っていないかぎり、そう簡単には解けないだろうと感じました。
このような問題を、公立中学の1年生が読みこなし、理解している。
中学の前段階としての小学校英語が、機能し始めていると言えるのではないかと思っています。
中学生の英語力は上がってきたと実感
うちに週に一度一時間だけ英語を学びに来ている子供たち。
起承転結のある、理由もしっかりした、なかなか良い英文を書き、そこそこ話しもできますが、それでも「クラスではもっとできる子が何人もいる」というのです。
それを鑑みると、公立中学に通う子供たちの英語力は、上がってきているのだと思います。
私の記憶では、1年生で分量のある英文を書いたり話したりする力は、以前は問われることもなかったです。
今は子ども達は、小学校で触れた単語も使った、いくらか難しい文を読んでいます。
そして自分の言いたいことを話す練習を積んでいる。
与えられた文の英訳だけでなく、( それも練習には大切ですが ) 自分の言葉を英語にし始めている。
この子たちは自分の思いを英語にするのに慣れていくのだろうな、と私は思います。そして、
英語を使うのは割と好き ? という若者が、今よりもっと増えていくだろうと。
英語に対する壁はどんどん低くなっていく。日本人として嬉しいものです。
頑張れ!子ども達!
最後まで読んでくださってありがとうございました。
それではまた。