Hello! How’s it going?
難しいイメージの「分詞構文」ですが、絵本の中にはよく登場します。
大学入試レベルの「形容詞が文頭にポンとくる形」もありますよ。
すごいですね。
今日は「にじいろのさかな」から1文に2つの分詞構文が入っている、難しいけれど素敵な文を紹介します。
(* 構成と文を修正しました 2020/09/11 )
二つの分詞構文が入った本文引用
文を引用します。
But the Rainbow Fish would just
glide past, proud and silent, letting his scales
shimmer.
” THE RAINBOW FISH” by Marcus Pfister より
この文は「キラキラ輝くウロコをもった特別なさかな」が、他の魚たちに「一緒に遊ぼう」と声をかけられたときの様子。
特別な存在であることを自負している彼は、他の魚たちには交わらない。
それどころか「一緒に遊ぶわけないじゃないか」という雰囲気が、just という語で受け取れます。
本文の始まりの部分を見てみましょう。この文の主節です。
” But the Rainbow Fish would just glide past , “
しかし にじいろのさかなは、ただするりと、泳ぎ去って行くのでした
* glide past =通り過ぎる
接続詞からの主語、述語。これで文は完結しています。
ところがここでは「彼は泳ぎ去った」という文に、「どんなふうにしながら」などの状況や、様子が加えられていきます。
「~しながら」の分詞構文
まずはじめに、本文の最後の部分を見たいと思います。基本的な分詞構文の形です。
” … just glide past , … , letting his scales shimmer. “
泳ぎ去った …. ウロコをきらめかせながら
scale = ( 名 ) ウロコ
shimmer = ( 動 ) 揺らめく、きらめく
” letting ” は動詞 let ( ~させておく ) に ing がついた現在分詞の形。
現在分詞の働きは
① be動詞を伴っての進行形
I’m cooking dinner.
( 私は夕飯を作っているところです)
② 名詞を前または後から修飾
That running boy is my brother.
( あの走っている男の子は、私の弟です )
Do you know the girl dancing on the stage?
( あなたは、ステージで踊っている女の子を知っていますか )
③ 動名詞として主語や目的語になる
Playing tennis is exciting.
( テニスをすることはワクワクする )
I like visitng old castles.
( 古いお城を尋ねることが好きです )
この他に
④ 文に情報を与える副詞のはたらきをすることもあります。
これが分詞構文です。
分詞構文であることを見分けるには次の方法があります。
・修飾している名詞が前後にないか
・完結した主節が他にあるか
引用した本の文には、letting ~が修飾している名詞は前後に見当たりません。
また先に書きました通り ” The Rainbow Fish would just glide past, ” と、主節の文は完結しています。
以上から、letting は分詞構文。
ここでは主節の文に 「~しながら」という情報を加えている、とするのがぴったりだと思います。
分詞構文は、主節との流れの中で、理由、条件、状況など、適切な意味を補って考えていい。
面倒なようで「適当」が許される優しい句です。
< 分詞構文の意味の例 >
状況 ~して、~しながら
理由 ~ので
時 ~しているときに
条件 ~するなら
繰り返しますが、厳しく分ける必要はなく、主節との関係、文脈から適切な意味をとっていけば良いのです。
being 省略でいきなり形容詞、の分詞構文
次は、真ん中の部分です。見慣れない形ですね。
“… just glide past, proud and silent , …”
proud and silent がカンマで区切られ独立しています。
そしてglide past ( 動詞 ) に掛かっているようなのに、proudly and silently の副詞ではなく、形容詞。
どう見ても 「自慢げにツンとして、黙ったまま、泳ぎ去った」の意味だと考えられるのに。
ということは、これも分詞構文かもしれない、と思いました。
そして調べてみると、being が省略されて形容詞が残る形があることを知りました。
これは
「being proud and silent 」のbeing が省略されたパターンです。
スッキリ!
分詞構文では「being や having been 」は省略されることがあります。
まとめ : 引用文の意味と参考テキスト
では、もう一度本文を見て、意味をとってみます。
” But the Rainbow Fish would just glide past , proud and silent, letting his scales schimmer. “
RAINBOW FISH より
しかし にじいろのさかなは、ただするりと泳ぎ去っていくのでした。自慢げにツンとして、何も言わずに、そのウロコをきらめかせながら。
こんなかんじでしょうか。
副詞句が加えられることで、次々と情景が流れ見えてきます。
最初は「どういう理由でここに形容詞?」と頭を抱えてしまったのですが、わかると気持ちが良かった。
今回の「being 省略で形容詞」の分詞構文は、旺文社のリンケージに下のような表記がありましたので、参考にしました。
be動詞の分詞構文 being, having been は省略可能である。したがって名詞や形容詞が明らかに副詞句のはたらきをしている場合は、being の省略された分詞構文の可能性を疑ってみるべきである
旺文社「リンケージ英語構文 100」より
分詞構文は書き言葉として使われることが多い表現です。スピード感やリズム感が出るので、新聞の記事などにもよく見られます。
今回取り上げた本の文も、リズムが良く、視線もとまりやすい。
また、分詞構文には「動詞ing」だけでなく、受け身の意味の過去分詞を使う表現もあります。
否定を表したり、完了形の分詞構文 もありますが、今回は本の中に出てきた「現在分詞」を使う表現と「being を省略して形容詞が残る」表現に焦点をあてました。
同じような文に当たって疑問に思っている方、” The Rainbow Fish ” を読んで気になっている方がいらしたら、参考になればいいなと思っています。
こどもにとって難しい絵本をどう読むか、についての記事もあります。
ちなみにこの ” Rainbow Fish ” を私はこう読んでいます。
< 幼児 >
原文そのまま。リズムや世界を感じてくれたらいい
<英検3級レベル >
私のやり方ですが、文法に沿って分割しています
proud and silent → Look, he is proud and silent.
letting ~ → and he would let his scales shimmer.
< 英検準2級レベル >
検定範囲の文法なので「分詞構文」として日本語で説明しています。
形容詞の方は省き、過去分詞を使うものを加えます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
* 記事の紹介です。
「きらめく、輝く」の言い方に焦点をあてた記事はこちら↓↓
shimmer の単語に焦点をあてた記事もあります↓↓
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それではまた!bye for now!