マザーグースの歌は子供の英語クラスで使いにくい。それでも使うために ( 幼児英語/ 歌 )

Hi! フィーニィです。今日も穏やかな天気ですね。

 

昨日、マザーグースの歌を記事の中に書いていて思いました。「私が好きなマザーグースの唄はクラスには使ってないな」と。

 

それで、諳んじているほど好きな詩もあるというのに、子供の英語の学習にはほとんど使わなかった理由を書いてみようと思いました。

 

 

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イギリス コッツウォルズ taken by fiiney

 

もちろんクラスで使ったものもあります。楽しかったしいい思い出。でも学習に結び付けるには、こちらも子供も相当な覚悟がいるのではないかな。

 

始めに書いておきますが、マザーグースを取り入れて楽しいのは幼児です。学びではなく、幼児のための英語の歌として楽しめます。

  

 

 

マザーグースを簡単に説明

詳しくは他で調べていただくことにして、この記事を読むための簡単な説明です。

 

マザーグースは、イギリス発祥の伝承童謡です。

制作時期も作者も不明の、口伝えに受け継がれてきたものも多く、曲ではなくだけのものもたくさんあります。

 

古くは 12世紀までさかのぼるという記述もありますが、15世紀くらいに広まったと言われています。

 

イギリスの農村の、厳しい生活の様子が色濃く映し出されている歌詞も多く、内容は残酷だったり、ナンセンスだったりするものもあります。

 

朝から晩まで働いて、食べるものも少ない中で子育てをしているお母さんたちの、お手上げ状態を歌っていたり、社会への風刺だったり。

 

そんな中にふっと、農村風景を描いた牧歌的なものや、恋のようなものもあって、なかなか面白いのです。

 

後に、アメリカ発祥の唄も入ったり、もっと大きなくくりとして「ナーサリー・ライム」ができます。

 

アメリカ版は楽しい雰囲気のものも多いので、子供英語にも取り入れやすいですね。

でも今日は、私の好きな「古いマザーグース」です。

 

子供英語の学習として使いづらい理由

私が子供の頃好きで、覚えているのにもかかわらず、クラスで使わなかった曲たちのことです。マザーグース全てについてではありません。

 

実際にマザーグースの曲もたくさん使っていますが、そのほとんどがアメリカ発祥の比較的新しく加わったものたち。

 

言い回しや単語が現代に近く、英語学習という目的で使うにも十分使えます。

 

ここでは、私が子供の頃に口ずさんだ、古いタイプのマザーグースの唄を取り上げます。自分は好きで歌ったのに、今の生徒さんに使わない。その理由です。

 

子供には難しい単語が多い

発祥が中世のマザーグースです。「なじみがない」、「今の生活でほとんど使わない」単語が出てきます。

 

例えば

master ご主人

dame 年配女性

maid お譲さん

sieve   ふるい、ザル

( 今はstrainer と言うようです )

tar-barrel  タールの樽

( 子供には想像しがたいでしょう)

 

中学や、英検 2級まででもほとんど見ないような語もでてきます。

abate  勢いがなくなってくる

vex   イライラさせる

thistle    アザミ

broth      煮だしスープ

 

これらは、後々役に立つと思いますが、英語を学び始めた日本の子供には難しい。

 

 

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イギリス カッスルクーム taken by fiiney

 

文法、表現もレベルが高すぎる

学習用に作られたものではないので、文法レベルは高校生にも難しいくらい。

一例)

Her mother, vexed,

Did beat her next,

For laughing at Jack’s disaster

– Jack and Jill より

 

「イライラしたお母さん

次に彼女をこっぴどく叩いた

ジャックの災難を笑ったから」

 

分詞で母の様子を表し、did で強調して、「~だから」の “for ” も使っている。英語初級の子どもには、この文法理解は無理です。ここで理解したとしても、あとが繋がらない。

 

その他、倒置や韻遊びもよく見られます。文法や単語の意味は気にしないで楽しむ心構えが必要です。

 

発音も高レベル

童謡ですが、実は発音も難易度が高い。

曲ではなく、韻を踏んだリズムだけで進むものも多く、それらは日本人にはなじみがないので難しいようです。

 

その壁を乗り越えて楽しめると発音がよくなるのですが、できなくて悲しい気持ちにさせたら逆効果。

 

一例)

Tweedledum and Tweedledee

Agreed to have a battle,

For Tweedledum said Tweedledee

Had spoiled his nice new rattle.

-Tweedledum and Tweedeldee より

 

CDのとおりに言えるとかっこいいけれど、初級者には難しい。

 

リズムが取りにくいものも多い

単語、表現、文法も難しい、それでも歌える歌、というのがあります。それは子供にとってリズムにのりやすいもの。

 

例えば、” If you’re Happy ” などは正確に歌うのは意外と難しい。それでもリズムにのって、最初と最後だけ合わせて言ったり、踊ったりできれば、それなりに楽しめる。

 

しかし古いタイプのマザーグースはリズムを取るのが大変。

子供にとって、どう乗っていいか分からないような唄もたくさんあります。

 

こうやって取り入れようマザーグース

こんなに「大変です」と言ってしまいましたが、やっぱり英語教室たるもの「マザーグース」を取り入れたい!とお考えの方もいらっしゃると思います。

 

もちろん、私もその1人。工夫しながら取り入れてきました。私のコツをご紹介します。

単語、文法、などの定着は考えない

動作ができるものを選ぶ

( ハンプティダンプティが落っこちる、とか、Ring a Ring a Roses など )

短いものを選ぶ

 

子供向けの楽しいCD付きの本もあります。リズムや曲調が楽しいものを選ぶのも良いでしょう。

私はイギリスらしいものが好きですが、子供達が楽しめるかは個人差があります。

 

私が自分用に買ったのは RAYMOND BRIGGS の絵のものです。音はすこし古く堅苦しい雰囲気で、決して「楽しくノれる!」ではありません。

 

しかしイギリス英語の発音が、私は好きです。独特の雰囲気も気に入っていて、時々、無性に浸りたくなることがあります。

 

はじめてのマザーグース-Ring-a-Ring o'Roses (CDと絵本)

はじめてのマザーグース-Ring-a-Ring o’Roses (CDと絵本)

 

 

 

諳んじている好きな マザーグース

 

 実際に私が覚えているのは数曲。なにしろ 40年くらい前ですからね。もうこの年になると、昨日のことより 20年前のことの方が覚えている、なんて言いますけれどね。

 

どこで聞いたかというと「ラジオ基礎英語 1 」。そこで毎週末、2曲ずつ紹介されていました。歌っていたのはキャロライン洋子さん!

 

若い人は知らないでしょうね( ;∀;)

 

では、実際に覚えている唄です。せっかくなので「お気に入り順

 

 Bobby Shaftoe

暗いです。でもとっても好き。一番好き。

完了形や、will も入っているのだけれど曲調と歌詞が叙情的すぎて、子供には不向き。のような気がする。

 

子供に聞かせると「だからなんなの」という顔をする。

それでも私は一番好きな唄。

 

” ボビーシャフト―は海にでてしまった。

素敵なバックルをかかとにつけて。

彼は帰ってくるの

そしたら私と結婚するの “

 

こんな唄。

 

Little Boy Blue

 

羊飼いが昼寝してる間に、

羊や牛が畑に入っちゃった。

誰か彼を起こしなよ。私はイヤよ

あんなにぐっすり寝てるのに

 

という内容。優しいリズムも大好き。

 

Little Jack Horner

リズムが好き。歌詞の切り方が、宇多田ヒカル並みに自由。

内容はたわいのない子供の様子

 

ジャックホーナーが隅に座って

クリスマスパイを食べてると

親指をパイに突っ込んでこう言う

「ぼくはなんていい子なんだ」

 

Hot Cross Buns

珍しくクラスで歌っている曲。

イースターのパンなので、その時期に無理やり歌っています。

 

Baa Baa Black Sheep

記憶に残りやすい。one for my ~からのリズムがいい。

自分の子供とは一番よく歌った曲。

 

Pussy Cat

記事の中で参考にした唄です。

転調するところが大好き。

 

Wee Willie Winkie

発音するのが楽しい曲。

もう8時だよ、ちゃんと寝てるかな、と夜回りをしている唄。

 

Georgie Porgie

なぜか覚えている。

「ジョージ―はパイを食べてて

女の子のキスして泣かせた

男の子が遊びにくると

走って逃げた」 という内容。

いるよね、こういう子。

 

Peter Piper

ナンセンスな唄だけれど、リズムが楽しいので覚えている。

 

カボチャばっかり食べてるピーターは

奥さんをもらったけど、うまくいかなくて

奥さんをカボチャに閉じこめたら

幸せに暮らせました

という内容だった。( と思う )

 

 

The Old Woman Who lived in a Shoe

こんなことがあった時代だった、のだろう。

 

靴に住むお母さんは

子だくさんでどうしていいか分からない

パンなんか無しで、汁だけ飲ませて

ひっぱたいて寝かせたんだとさ

 

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イギリスにて taken by fiiney

 

マザーグースを取り入れるタイミング

いろんなご意見があると思いますが、いろんな子ども達を見てきた私の気持ちです。

一番良いのが幼児期

マザーグースは幼児の英語の歌としていい。なぜなら

・単語を覚えなくてもいい

正確に歌えなくても悲しくない

分からなくても声を出す

・楽しく活動することもできる

 

例えば、WeeWilly Winky で、マントでも羽織って、椅子に登ったり下りたりすることで、街を駆け上がる妖精になりきることができる。

 

鍵穴を作って、みんなで覗きこみ

” Are the children in the beds? ” と言ったら、なんだか楽しいのです。

 

「学習」から離れて「楽しいでいいや」と思えるのは幼児くらいですものね。ここでやらないでいつするの?という気持ちです。

 

幼児さんは、分からなくても声に出します。これが英語の音の習得にはいい。

 

逆に、年長さんくらになると「なんか変な感じがすることはやりたくない」となります。

また、英検取得に向けて文法を整理したい時期になると、マザーグースは向きません。レベルが高すぎるからです。

 

その後は高校生

中学生の時も、定期テスト、英検、高校受験対策に追われますので、マザーグースに割く時間はとれません

 

私は中学生のときに聞きましたが、今の子供たちは忙しい。

 

それが高校生になるとひと段落します。

文法力も上がり「倒置」なども習いますので、唄の中で見ると楽しいようです。

 

まとめ

 

単語も文法も、曲調もハイレベルなマザーグース。

 

学習のために使うのは難しいですが、幼児期に英語の世界に触れるつもりで使うと楽しいと思います。

 

高校生になってもう一度みれば、単語も文法も分かって嬉しいものです。

 

アメリカ発祥の曲が多く入った「ナーサリーライム」は、明るいものも多く取りかかりやすいでしょう。

機会があったら、マザーグースの世界を覗いてみてください。

 

長くなってしまいました。

読んでくださって本当にありがとうございます。

 

 他にこんな記事もあります。

 

 

www.fiineytoeigo.com

 

それではまた。

See you!

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