「幸せになれるはずない : How could I~? 」Rainbow Fish の葛藤を英語で読んでみる

Hi, there!

今日は ” Rainbow Fish ” ( にじいろのさかな ) から。

自分と他人の幸せについて、揺れ動く英文を読んでみませんか。

 

How could I ~?は、直訳から転じた意味を成す、少しややこしい表現。

Rainbow Fish の正直な言葉なら理解しやすいですね。

さぁ、海の世界へ!

  

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“The Rainbow Fish “

 

 

 

 

“The Rainbow Fish” 本の紹介

著者は スイス人の Marcua Pfister さん。初版は1992年で、オリジナルはドイツ語で書かれています。

英語翻訳は J.Alison James さん。日本語には谷川俊太郎さんが訳しています。

 

 

The Rainbow Fish

The Rainbow Fish

  • 作者:Pfister, Marcus
  • 発売日: 2012/07/01
  • メディア: ペーパーバック
 

 

 

< 大まかなストーリー >

 

Rainbow Fish は、他の魚とは全く違う次元のさかな。

彼のからだはさまざまな色合いの青や緑、紫で、キラキラと輝くウロコも混じっているのです。

 

特別な存在である彼は、他のさかなと一緒に泳ぐなんてまっぴら、と思う。

ましてや、そのキラキラ輝くウロコを一枚ちょうだい、なんて言われたら「おまえ、いったい何様だよ」と怒り出す始末。

 

だから彼のまわりには誰も寄ってこない。

虹色に輝くウロコを称賛する者はいない。

 

ぼくはこんなに美しいのに、どうしてみんなは僕を好きにならないの?」

 

その疑問に、遠くの海にいる賢者はこう答えます。

「その光るウロコをみんなにやりなさい。そうしたらお前は、世界一美しい魚ではなくなるだろうけれど、幸せになる方法が、きっとわかるはずですよ」

 

ここから、ストーリーとしてはありがちな方向に進みますが、彼はすんなり「輝くウロコ」をみんなに差し出すわけじゃない。

 

迷いながら小さく決断し、相手の様子が彼の心をまた揺らす。

 

 

 

葛藤する場面の引用

 

彼は賢者のタコの忠告を素直には受け入れられない。

ここでは、could を使って疑いを表す表現が使われています。

 

could は can の過去形ですが、さまざまな使われ方があります。

よくある用法としては

・控えめな雰囲気を出す

・大げさなかんじを出す

・かもしれないと推量する

 

では、Rainbow Fish が「幸せ」になれる忠告を聞いて、自問するところを引用します。

 

 

 Give away my scales?   My beautiful shining scales?    Never.   How could I ever be happy without them?

 

” THE RAINBOW FISH ”  by MARCUS PFISTER より

 

 

「ぼくのウロコをあげるだって? ぼくの綺麗なきらきらのウロコを? ありえない。 輝くウロコなしで、幸せになんかなれっこないじゃないか」

訳  fiiney

 

scales = ウロコ

 

ここでの could は「おおげさな言い方」ですね。

How could I be ~? 

直訳:  どうやったらなれるんだ

 

これが転じて「なれるわけない」という意味です。

 

例)

He is a star in my school.  How could I be his girlfriend?

「彼は学校のスターよ。ガールフレンドになれるわけないじゃん!」

 

一般動詞で使うと

「~するわけがない」という意味。

 

例)

Oh, you remembered my birthday!

( あら、私の誕生日覚えてたのね )

Of course.  How could I forget?

( もちろん。忘れるわけないよ )

 

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The sea ” taken by fiiney

 

単語 peculiar で心の変化を表現

 

「うろこあげたら幸せになるなんて、ありえない」と、いったんは憤慨する Rainbow Fish 。

でも「ほんの小さな一枚ならいいかも」と、実行してみると…

 

ここの文が重要なので、ぜひ読んでみましょう。

引用します。

 

 

 A rather peculiar feeling came over the Rainbw Fish.   For a long time he watched the little blue fish swim back and forth with his new scale glittering in the water.

 

THE RAINBOW FISH ” by Marcus Pfister より

 

「なんとも奇妙な心持ちが、Rainbow Fish の胸に広がった。 長い時間、彼は見つめていた。その小さい青い魚が、新しくもらったウロコを水にきらめかせながら、前へ後ろへと泳ぐのを」

訳 fiiney

 

peculiar奇妙な

 

この単語はハリーポッターの中でもよく出てきます。

シリーズ最初の、人間の世界に魔法界の者が現れる時に「奇妙な前兆があった」という箇所で

something peculiar ( 何か奇妙な )

という表現もありますよ。

 

不思議で奇妙、そんな雰囲気をもつ単語です。

 

私はここが好き。

最初に彼の心に広がるのが、warm feeling ( 温かい気持ち) でも happy feeling ( 幸せな気持ち ) でもなくて

peculiar feeling なところが。

 

今まで感じたことのない「奇妙な」感じ。

その感覚を確かめるように「嬉しそうに泳ぐ相手」を長い間見つめる。

 

彼は「幸せになる」方法のきっかけを、その端っこを感じ取ったのでしょう。

 

* swim back and forth を「後ろへ前へ」ではなく「前へ後ろへ」としたのは、そのほうが日本語が自然だからです。

そういうのありますね。 north and south 「南北」とかね。

 

まとめ

今日は、Rainbow Fish で揺れ動く気持ちを表す英語をご紹介しました。

 

この本には、やや難しい単語や素敵な言い回しが多いので、中級以上のお子さんにぴったり。大人の方も面白く読めると思います。

 

青や緑が美しいので、毎年この季節になると飾って、うちにきた子供たちが読みたいといえば開きます。

 

子供に読むときには「幸せ」=「シェアすること」のメッセージには特に焦点をあてずに、物語を楽しんでいます。

 

海に関する語や「光る」を表す単語も、もちろん豊富です。

「光る」「きらめく」に関する記事もあります。↓↓

 

www.fiineytoeigo.com

 

ちなみに、この本を読むときに流す曲は、” Bobby Darin ” の歌う ” Beyond The Sea ” 

 

賢者のタコがいる場所を表して

” beyond the coral reef to a deep cave…” という表現があります。

 

beyond ( ~を超えて ) は英検準2級くらいからよく出る単語。この本が読める子供にはちょうどいいレベルなのです。

 

最後まで読んでくださってありがとうこざいます。

 それではまた。

Bye for now.

 

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