Hi, there!
今日は ” Rainbow Fish ” ( にじいろのさかな ) から。
自分と他人の幸せについて、揺れ動く英文を読んでみませんか。
How could I ~?は、直訳から転じた意味を成す、少しややこしい表現。
Rainbow Fish の正直な言葉なら理解しやすいですね。
さぁ、海の世界へ!
“The Rainbow Fish” 本の紹介
著者は スイス人の Marcua Pfister さん。初版は1992年で、オリジナルはドイツ語で書かれています。
英語翻訳は J.Alison James さん。日本語には谷川俊太郎さんが訳しています。
< 大まかなストーリー >
Rainbow Fish は、他の魚とは全く違う次元のさかな。
彼のからだはさまざまな色合いの青や緑、紫で、キラキラと輝くウロコも混じっているのです。
特別な存在である彼は、他のさかなと一緒に泳ぐなんてまっぴら、と思う。
ましてや、そのキラキラ輝くウロコを一枚ちょうだい、なんて言われたら「おまえ、いったい何様だよ」と怒り出す始末。
だから彼のまわりには誰も寄ってこない。
虹色に輝くウロコを称賛する者はいない。
「ぼくはこんなに美しいのに、どうしてみんなは僕を好きにならないの?」
その疑問に、遠くの海にいる賢者はこう答えます。
「その光るウロコをみんなにやりなさい。そうしたらお前は、世界一美しい魚ではなくなるだろうけれど、幸せになる方法が、きっとわかるはずですよ」
ここから、ストーリーとしてはありがちな方向に進みますが、彼はすんなり「輝くウロコ」をみんなに差し出すわけじゃない。
迷いながら小さく決断し、相手の様子が彼の心をまた揺らす。
葛藤する場面の引用
彼は賢者のタコの忠告を素直には受け入れられない。
ここでは、could を使って疑いを表す表現が使われています。
could は can の過去形ですが、さまざまな使われ方があります。
よくある用法としては
・控えめな雰囲気を出す
・大げさなかんじを出す
・かもしれないと推量する
では、Rainbow Fish が「幸せ」になれる忠告を聞いて、自問するところを引用します。
Give away my scales? My beautiful shining scales? Never. How could I ever be happy without them?
” THE RAINBOW FISH ” by MARCUS PFISTER より
「ぼくのウロコをあげるだって? ぼくの綺麗なきらきらのウロコを? ありえない。 輝くウロコなしで、幸せになんかなれっこないじゃないか」
訳 fiiney
scales = ウロコ
ここでの could は「おおげさな言い方」ですね。
How could I be ~?
直訳: どうやったらなれるんだ
これが転じて「なれるわけない」という意味です。
例)
He is a star in my school. How could I be his girlfriend?
「彼は学校のスターよ。ガールフレンドになれるわけないじゃん!」
一般動詞で使うと
「~するわけがない」という意味。
例)
Oh, you remembered my birthday!
( あら、私の誕生日覚えてたのね )
Of course. How could I forget?
( もちろん。忘れるわけないよ )
単語 peculiar で心の変化を表現
「うろこあげたら幸せになるなんて、ありえない」と、いったんは憤慨する Rainbow Fish 。
でも「ほんの小さな一枚ならいいかも」と、実行してみると…
ここの文が重要なので、ぜひ読んでみましょう。
引用します。
A rather peculiar feeling came over the Rainbw Fish. For a long time he watched the little blue fish swim back and forth with his new scale glittering in the water.
“ THE RAINBOW FISH ” by Marcus Pfister より
「なんとも奇妙な心持ちが、Rainbow Fish の胸に広がった。 長い時間、彼は見つめていた。その小さい青い魚が、新しくもらったウロコを水にきらめかせながら、前へ後ろへと泳ぐのを」
訳 fiiney
peculiar = 奇妙な
この単語はハリーポッターの中でもよく出てきます。
シリーズ最初の、人間の世界に魔法界の者が現れる時に「奇妙な前兆があった」という箇所で
something peculiar ( 何か奇妙な )
という表現もありますよ。
不思議で奇妙、そんな雰囲気をもつ単語です。
私はここが好き。
最初に彼の心に広がるのが、warm feeling ( 温かい気持ち) でも happy feeling ( 幸せな気持ち ) でもなくて
peculiar feeling なところが。
今まで感じたことのない「奇妙な」感じ。
その感覚を確かめるように「嬉しそうに泳ぐ相手」を長い間見つめる。
彼は「幸せになる」方法のきっかけを、その端っこを感じ取ったのでしょう。
* swim back and forth を「後ろへ前へ」ではなく「前へ後ろへ」としたのは、そのほうが日本語が自然だからです。
そういうのありますね。 north and south 「南北」とかね。
まとめ
今日は、Rainbow Fish で揺れ動く気持ちを表す英語をご紹介しました。
この本には、やや難しい単語や素敵な言い回しが多いので、中級以上のお子さんにぴったり。大人の方も面白く読めると思います。
青や緑が美しいので、毎年この季節になると飾って、うちにきた子供たちが読みたいといえば開きます。
子供に読むときには「幸せ」=「シェアすること」のメッセージには特に焦点をあてずに、物語を楽しんでいます。
海に関する語や「光る」を表す単語も、もちろん豊富です。
「光る」「きらめく」に関する記事もあります。↓↓
ちなみに、この本を読むときに流す曲は、” Bobby Darin ” の歌う ” Beyond The Sea ”
賢者のタコがいる場所を表して
” beyond the coral reef to a deep cave…” という表現があります。
beyond ( ~を超えて ) は英検準2級くらいからよく出る単語。この本が読める子供にはちょうどいいレベルなのです。
最後まで読んでくださってありがとうこざいます。
それではまた。
Bye for now.