Hello! How’s it going?
現在完了は過去の話ではなくて現在の話。
今ですね。
現在完了を小学生に説明するのに使っている絵本があります。
主な理由は2点。
・現在形で書かれている
・絵で状況がわかる
今日はこの理由と使っている場面について!
<絵本>
RAYMOND BRIGGS’
” The Snowman ”
STEP into READING 1 / RANDOM HOUSE
注) ” The Snowman ” は「文字の無い絵本」ですが、今回参考にする本は英語学習用に作られた、文字のある絵本です。
子供向け「完了形」にこの本を使う理由
この本はもともと初級者用の三単現の練習に使ってきました。現在形で書かれている本はそう多くないのです。
初級用なので「完了形」の英文はさらりと流してきました。。
それが何度か読んでいくうちに、完了形の使われている場面がとても自然なことに気づきました。
この流れなら子供たちにも理解できるのではないかと思ったのです。
「現在完了」は現在の話ですものね。
ということで幼児期に読んでいたこの本を、英検三級を受ける前の子ども達に、もう一度出すようになりました。
① 現在形で書かれている
この本は現在形で書かれていて、動詞の過去形はひとつも出てきません。「現在」の話として進むのです。
ここに「現在完了形」が出てきますので、「現在」の話の中で使われることを自然に感じることができます。
他に余計な時制が入っていないのも、わかりやすくていいと感じています。
文が短くて負担が少ないのもいいですね。最初からこってり長い文を見せると、子供たちは「やる気スイッチ」を引っ込めてしまいますから。
② 絵で状況がわかる
「完了形は絵つきで学ぶ」が鉄則。過去から現在までの一直線を書いたりね。
この本なら一目で完璧に理解できます。
でてくる現在完了の種類は「経験」と「完了」。
「継続」については後回しになりますが、それでもいいでしょう。
まずは現在と密接につながった「現在完了」という 「have +過去分詞」の形を知り、こういう時に使うんだ、ということを理解できれば
それで充分だと思うのです。
現在完了 が使われている場面は2つ
では、絵本を覗いてみましょう。完了形の使われている場面は2つです。
「スノーマンは一度だって家の中にいたことがなかった」
The Snowman (Step into Reading)
- 作者:Raymond Briggs
- 出版社/メーカー: Random House Books for Young Readers
- 発売日: 1999/09/07
- メディア: ペーパーバック
ひとつめは
スノーマンが男の子 ( ジェイムス) に導かれて、彼の家の中に入った場面。
片手に脱いだ帽子を持ち、もう片方の手を口元に当てて、ポカンとした表情で部屋の中を見ています。
少し上を向いた表情に、彼の気持ちが表現されていますね。
英文を見てみましょう。引用します
The snowman has never been inside a house.
from ” The Snowman ” Raymond Briggs
この挿絵にはぴったりの文ですね。
「スノーマンは今までいちどだって、家の中にいたことはなかった」
現在形とのニュアンスの違い
ここ、どうして現在形ではないんでしょう。
「スノーマンは家の中にいます」
The snowmnan is inside a house.
間違ってはいない
けれど表情や仕草から見える「初めて入った感」が伝わってこない。
もう一声、足りない気がします。
ここはポカンとしたスノーマンの表情を汲んで「初めて入った」というニュアンスを伝えたいところ。それを子供たちは理解してくれます。
ということで、
「現在完了形」( have +過去分詞 )に注目。
この形で「経験」を表していると伝えると、子ども達はたいてい「便利~」と言います。
「なんでこんな顔してるんだろう」
「スノーマン初めて家に入ったからでしょ」
「雪でできてるからね!」
こんな流れから「~したことない」の言い方が導入できます。
ではもうひとつ、見てみましょう。
「スノーマンは行ってしまった」
もうひとつの場面は「完了」。
「いま終わったところ」を表す「完了」も、視点は今にあります。
終わった、といっても遠い過去の話ではないですものね。
少しせつないけれど、ぴったりの場面です。
次の朝起きると、窓の外は晴れ。ジェイムスはいそいで階段をかけおりてドアを開けるけれど、スノーマンはもういない。
彼が被っていた帽子とマフラーが、くしゃりと雪のかたまりに乗っかっている。
彼は行ってしまった。
本文を引用いたします。
But the snowman has gone.
from ” The Snowman “
Raymond Briggs
has gone =「彼は行ってしまった」
行ってしまって、もういない。
まさに「今」に視点がある場面。小さな子供でも理解できます。
「経験」か「完了」なのかは文で見極めますから、絵の補助があると分かりやすいですね。
過去形との視点の違い
小さな子供さんは読んで意味を感じるだけでいいと思います。
英検を受ける予定なら、過去形との視点の違いを話しておくのもいいですね。
現在完了の視点は「今」
has gone =「今はもういない」
この絵が示しているように
「スノーマンは溶けて、帽子とマフラーだけを残して、今はもういなくなってしまった」状態。
過去形の視点は「過去のとある時点」
昨日、1年前、など過去の一点
He went out the room at that time.
( その時部屋を出た )
この文からは「その時」部屋を出た、という事実のみで、その後のことは分からない。
過去形が過去のある時点での状態や動作を示し「今のことには関係しない」からですね。
この視点の置き場所こそが
過去形と現在完了の違いです。
**次の記事で、「過去形」と「現在完了」の使い分けも練習したいと思います。どちらも使える場合があるのですよ!
キーになるのが「視点の置き方」です(^^♪
** 使い分けの記事を書きましたので参考に貼り付けます。
現在完了形を作るのに have が使われるのはなぜ?
現在完了の形は「have +動詞の過去分詞」
過去分詞はその動作が「完了」していることを表します。
そして have はもちろん「持っている」。
なので
完了した動作を 今 持っている
というニュアンスがあるのです。
例えば
have eaten my lunch
持っている 「お昼を食べた」を
↓
もう食べた / 食べ終えた / 食べちゃった
この考え方は、高校生向けの文法書である「総合英語 be」にも記述があります。
学生用の参考書ですが、英語の感覚や基本についてのページが分かりやすいので重宝しています。
中学生になると難しく感じる「完了形」の文も、動詞の数を抑えて子供のうちに見ておくと、ハードルが下がりますね。
never や ever の位置を知るだけでも、いいことだと私は思います。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
他にこんな記事もあります。お時間のある時に読んでくださったら嬉しいです。
ではまた!
See you soon!