こんにちは。フィーニィです。前回に続いて上海にて。
上海の外灘 ( バンド ) に建つお洒落なホテル。
きらびやかなオールド上海の空気を保ちながら、洗練されたホスピタリティを持ち合わせているところに、すっかり魅了されてしまいました。
異次元的な高級さを感じたヒルトン系の「ウォルドーフ・アストリア上海 オン・ザ・バンド」の写真とともにレポートを書きます。( 2018 1月末の旅行です )
フロント、部屋は新館
このホテルは1920年代の建物を改装した部分と、新しい建物とが繋がっています。古くからの建物にはとっても素敵な部屋があるそうですが、私達が泊まったのは新館。
ピカピカに磨き上げられたフロントも新館にあります。
新館のお部屋も美しく、バスルームは大理石。あまりに綺麗で何枚も写真をとってしまう。
大きなバスタブからは部屋を通して夜景も見られる窓がついている。その窓はスイッチ1つで不透明に変わるので、プライバシーも保たれる。
別にシャワーブースもついています。
プレゼントのような袋に入ったスリッパもフカフカ。
床のラグやソファの生地も、光沢がありながら抑えめの色で綺麗で、パイピングのピンの打ちさえ素敵に見えてしまう。
隣には大きめのライティングデスクがあって、窓からの景色を眺めながら書き物もできそう。 ( な気がする … )
果物とクッキーが置かれていたので、コーヒーを淹れていただく。とても美味しい。クッキーは全部食べてしまう。
夜には川向う( 浦東 ) の高層ビル群が美しい。派手な船も通る。
目を疑ってしまうような派手な船だけれど、チェックイン後はずっと非日常感に包まれているので、受け入れてしまいます。
旧上海クラブの面影を残す外観
2011年に改装され営業を開始したこのホテルは、川側は旧上海クラブの建物。ネオ・バロック様式のクラシカルな雰囲気を残していて、ロングバーも再現されています。
旧館は内装も1920年代の趣
「上海クラブ」とは :
アヘン戦争後に開かれた上海に設置されたのが、イギリスやロシア、アメリカなどの「租界」。中でもイギリスは上海の政治、経済、文化の形成において主要の役割を担っていた。以下「上海 多国籍年の百年」( 中公新書 ) の中から関係する箇所を引用します。
イギリス人。「自由都市」としての街の基盤を作った。大英帝国のプライドとライフスタイルをそっくり持ち込み、政治・経済の各面において支配の中枢に君臨した。
「上海 多国籍都市の百年」榎本泰子著 中公新書
彼らの社交場として建設されたのが「上海クラブ」。バンドの一角にあったこの建物が、現在のウォルドーフ・アストリア上海オン・ザ・バンドに生まれ変わったのです。
建物の描写も、先の本からまた引用します。
正面にギリシア風の円柱がそびえる堂々たる建物である。大理石の階段を上って玄関ホールに入ると、中二階にヨーロッパの劇場のようにバルコニーが張り出している。奥には世界一と長いと言われた三〇メートルものバーカウンターがあった。
「上海 多国籍都市の百年」榎本泰子著 中公新書
旧館側から外へ
高い天井には大きなシャンデリア、クリームがかった壁の色 。バロック様式の内装が およそ100年の歴史を感じさせてくれる。
階段の下にドアマン ( というより若い女の子 ) が駐在していた。雪だったので傘が要りようか聞いてくれた。
外に出ると空はグレイ。建物の色と合ってかっこいい。
バンドとは、船着き場という意味だそうです。現在プロムナードーデッキになっているところは、20世紀初頭はジャンク船、汽船、各国の軍艦であふれていた、と前出の本にある。
芥川龍之介が船で着いたのも、このバンド ( 外灘 ) 。
街路樹と20世紀初頭の雰囲気を残した建物たち。天井モザイクが有名なドームのついた上海浦発展銀行( 1923年築 ) や、時計台のついた上海海関( 1927年築 )、アールデコ様式の旧サッスーンハウス( 右奥の三角塔 1929年築 ) も見える。
時間を逆戻りしたような気分になる。
今でも黄浦江を渡る遊覧船の船着き場がすぐ近くにあります。15分くらいで向こう岸につくので、のんびりと乗ってみました。上海タワーからの眺めは、現代の上海そのものですけれどね。
ホテルに戻ると、脇の通用口のドアが開いて中のシャンデリアが見えた。
ロング・バーはオールド上海の雰囲気
名物のロング・バーに行ってみました。
上海クラブ当時のロング・バーを再現したとあって、シックな造り。ジャズの生演奏も素敵だった。
暗すぎて、メニューが見えなかったのでスマホのライトをつけて注文した飲み物。
ウェイトレスさん達は、目を上げたり頭を回したりすると、スっとやって来る。 一呼吸おいたタイミングが気持ちいいものでした。
木製の壁の黒光りしているところなんかが、イギリスのボドリアン図書館内の壁と似ていた。
夜のバンドは豪華にライトアップ
日本ともヨーロッパとも違う。これがバンドの夜の景色。
それぞれの建物がライトアップされてとても綺麗。
雪で濡れた地面にライトが反射している、そのきらめきが上海らしい。
ラウンジは広いリビングのよう
ラウンジは二階で中に柱が無く、吹き抜けスペースをきっかけに緩く区切られている。
リビングと書斎が一体になったようなインテリアで、ソファの後ろの置物や、壁面の本棚がシック。
飲み物とクッキーなどがあって、広く静か。ゆっくりできます。
朝食のガレットが美味しい
朝食は洋食。ふんだんで、どれも美味しい。コックが何人も並んでいて「いかようにも作ります」というような雰囲気。
メニューに「ガレット」があったので具を選んで注文してみました。
色があまりよくない写真ですが、生地の端がカリカリで中心はしっとり。中のチーズやハムもとっても美味しい。
よくばって玉ねぎとほうれん草もお願いしたのに、分量が絶妙でした。
今まで食べてきた朝食の卵料理の中で、一番美味しかった!
これを食べるために、またいつかこのホテルを訪れたい。他の具でも食べてみたい。
バターさえ写真にとってしまうほど、気持ちが上がった。
ぴっちりシーリングされている様子が綺麗で、持って帰りたいほど…
何度も訪れたくなる心地よいサービス
このホテルは全体的にとても優雅な空気が流れていて、何をお願いしても笑顔ですぐに応えてくれました。
ぼーっとしていると ” Hello.” や ” What would you like? ” や ” What shall I do for you? ” などの声かけを爽やかな笑顔でしてくれる。
慇懃な感じではなくて、爽やかなのです。
レセプショニストやドアマンも、控えめでありながら迎える気持ちに満ちていて「役に立ちたい」という雰囲気がある。
スタッフみんながそうなのだからすごい。
こんな高級なホテルで足がすくむわぁと思ったのですが、すぐにリラックスして歩けました。やるなぁ、アストリアホテル!
機会があったらまたぜひまた訪れたい。
最後にもう一枚、ライトアップされたバンドの夜景を。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
ではまた!
関連する記事を貼りますので、いつかお時間のあるときに読んでくださったら嬉しいです。